病院とクリニックでの患者層の違い
精神科医療と言っても、病院とクリニックでは一般的に患者層は異なります。統合失調症や重度のうつ病や双極性障害など、いわゆる内因性疾患。そしてアルコール依存や認知症などといった治療管理が必要な患者さんが中心になるのが病院の精神医療になります。それに対してクリニックでは、軽度~中等度の気分障害、適応障害、不安障害などが中心となり、患者さんの層が全く異なります。 当然ですが、患者さんの求めていることも異なれば、必要とされるスキルも異なります。
病院の場合
・統合失調症
・重度のうつ病
・双極性障害
・精神科救急(自殺企図、自殺未遂、OD)
全身管理を必要とする患者がメイン
クリニックの場合
・軽度〜中等度の気分障害
・適応障害
・不安障害
・睡眠障害
外来治療による加療を要する患者がメイン
精神科医としての必要な資格
精神科医としてキャリアパスを考えるにあたっては、精神科医としての資格をどこまで取得するかが重要です。
大きな2つの資格として、「精神保健指定医」と「精神科専門医」があります。
・精神保健指定医:診療報酬に差あり≒年収もかわる→取得すべき
・精神科専門医:現時点では大きな差なし→出来れば取得するべき
指定医は、病院での隔離拘束の判断、医療保護や措置入院の判断など、いわゆる指定医業務ができるかが変わってきますので、病院では待遇に差が付きます。クリニックでも、診療報酬にわずかではありますが差がついていて、将来的には大きくなるかもしれません。
こころみクリニックとしては、精神医療を志す先生方は指定医の取得を目指す事を推奨します。
精神科医の働き方と年収・キャリアパスについて詳しく知りたい方は以下、当法人の記事も参考にしてください。
https://cocoromi-mental.jp/cocoromi-ms/resident-psychiatry/
病院経験の大切さと、クリニックで
求められるスキルの違い
こころみクリニックは東京・神奈川を拠点に精神科クリニックを展開していますが、クリニック外来で患者の診察を重ねるほど、病院経験の大切さを再認識させられます。
病院経験は、患者さんのマネージメントの観点で非常に大切です。どの状態まで外来で対応できて、どこから入院が必要となるのか。そして薬物療法の大切さは入院治療を経験しないと実感をもって自らの診療に活かす事が出来ません。
一方でクリニックでは、日常生活や社会生活での現実的な悩みに寄り添うことも求められます。また薬の位置づけも異なり、引き出しの多さも求められます。病院経験の豊富な先生でも、求められるスキルが違うために最初は苦労される先生方も少なくありません。
こころみでの外来教育体制
こころみでは、外来に特化した精神医療の教育体制を構築しています。
文章や動画だけでは実学としての外来精神医学は学べません。 当法人のベテラン医師が講師となって、クルズス形式や陪席、フランクな勉強会などを行っています。 知見のある専門の先生方が在籍されており、臨床スキルの深掘、フィードバックや他医師の専門的知見を共有できるなど、外来をこなすだけに留まらない精神医療の面白さを実感することが出来ます。
こころみの教育体制の特徴
★体系的なクルズス ★TMS勉強会 ★診察陪席
★オーベン制度 ★LINEワークスでの議論
クリニックで教育の場を
現状、外来スキルは外勤などで見よう見まねで掴んでいく事が多いでしょう。 臨床研修を終えてからは、良質なフィードバックのある臨床経験を積むことは現実的には難しいです。近年では参考になる実践的な情報もありますが、やはり1番は直接教育を受けられる場で臨床の研鑽を積む事です。 こころみ大学では、講義と実践を通して外来に必要な知識を習得することができます。 そのことで「こころみ」で学んでいただいたことが、多くの患者さんにとってプラスになることを願っています。
募集要項
・指定医取得、若しくは指定医取得を目指して精神科医療機関に勤務中の先生
・当法人で外来を担当いただいている先生、担当予定の先生
詳細については、気軽にお問合せください。