藤永有博

一期一会とは、一度きりの出会いを大切にしその瞬間を大切にするという意味です。つまり、患者さんやスタッフとの出会いが一生に一度だと考え、その時に全力で向き合い思いやりを持って接するという考え方です。

これは高校時代の恩師から学んだ言葉です。20代の頃はいろいろ試しました。麻酔科医局へ入局し、周術期管理、集中治療、救急医療に従事しました。自分で試して体験してみないと、それが自分に合っているか合っていないか分からないからです。救急現場において精神医療の重要性を感じ、医師5年目の時に精神科医としてのキャリアを開始することにしました。とにかく悩みました。あの時、周囲のほとんどの方に反対されましたが、今現在、精神科医に向いているかはさておき、全く後悔していないので良かったのだと思います。

すべての仕事に言えますが、楽な仕事などありません。目の前の仕事を少しでも楽しんでみるという視点は常に持っています。